Photoshop を使って、写真の中の特定の被写体を切り抜くやり方をまとめてみました。
今回は、形が単純で、かんたんな被写体を対象に切り抜いてみたいと思います。かんたんな形とは具体的に言えば、カップやペン、スマホのようなプロダクトや、リンゴやみかんといった果物などです。
では、逆に複雑な被写体とは……?それは、人物や動物、ズバリ言ってしまえば毛ですね。それはまた別記事でまとめたいと思います。
- 「ペンツール」の使い方
- 「パス」から切り抜きする方法
- 「レイヤーマスク」の修正方法
目次
“切り抜き”とは
“マスキング”である!
先に頭に入れておきたいのは、本記事の見出しにもある、いわゆる「切り抜き(クロッピング)」は、Photoshop 上で行う作業として指す意味は「マスキング」であるといっても過言ではありません!
マスキングとは、見せたくない部分を覆い隠して(マスキングして)、見せたい部分だけを表示させる技法です。
このやり方の良いところは、元データをそのままの状態で(非破壊で)編集することができるので、あとから微調整やデータの流用などもできていいことづくめなのです。
ただし、本記事では以降そのまま“切り抜き”というワードを使用してまとめています。
ペンツールを使って
レイヤーマスクで切り抜く!
さっそく切り抜き方を見ていきたいと思いますが、
ざっくり手順としては、
「ペンツール」でパスを描く⇒「パス」を選択範囲にする⇒「レイヤーマスク」を追加して切り抜くという流れです。個人的にこのやり方を必須でマスターしてほしいと思います!
何度もやっているうちに、かんたんな形状ならパパパッと“パスを切れる”ようになっていくのでぜひ積極的にやってみてください!
それでは例として、
サンプル写真からカップを切り抜いていきましょう。

STEP.1 「ペンツール」を選択し、「パス」に変更する
まず、
ツールパネルから「ペンツール」を選択します。

微妙に違うアイコンに変わっていたり、アイコンが見当たらない場合は、「T」のアイコンの上を長押しして、展開された部分の一番上「ペンツール」アイコンを選択しましょう。
特に初めての人は、要チェックです。

そして、
Photoshop 上部のオプションバーの左の方が「パス」になっていることを確認します。

シェイプになっている場合は、右側の下矢印からプルダウンを開いてパスに変更しましょう。
STEP.2 被写体の輪郭にパスを描く
ペンツールで、被写体の輪郭をなぞるようにパスを描いていきます。
この作業を日本のデザイン業界では「パス切り」や「パス抜き」と言ったりする場合がありますので頭の片隅に入れておきましょう。所属しているグループによって呼び方が違うかもしれません。
かんたんに手順を説明すると、
切り抜きたい被写体の外側の適当なところでクリックして最初の「アンカーポイント」を追加します。ポイントを追加するときにドラッグすることで曲線からスタートできます。あとは被写体の外側をなぞるようにアンカーポイントを追加して、ポイントの横にある「ハンドル」を伸ばした縮めたりすることで調整することができます。

重要な操作方法として、
ペンツールを選択した状態で、[Ctrl](Mac ではcontrol)キーを押した状態にすることで、「パス選択ツール」に一時的に切り替わり、ポイントの横の「ハンドル」を伸縮させることができます。伸縮させることで、パスの曲線をうまく調整します。
この操作は、慣れるしかありません!
数こなすしかねぇ!
その他、ざっくりとした操作説明をすると、
・クリックするとただのアンカーポイントを追加

・ドラッグすると曲線のアンカーポイントを追加

・ドラッグして、そのあとドラッグしながら[Alt](Mac では Option)キーを押すことで、そのアンカーポイントで折ることができる

・最初のアンカーポイントをクリックすることで、パスを閉じることができる

これらの操作方法を駆使して、ポチポチと被写体にパスを描いていきます。
コツとしては、
きもち被写体の内側をなぞってあげると良いです(0.1ピクセルくらい内側の気持ち!)。また、アンカーポイントの数は可能な限り少なく、そしてあまり神経質にならずに!
最終的にキレイに見えればいいのですから!

ちなみに私も通してやってみた動画を掲載してみます。参考になるかわかりませんが……。
今回はただの個人ブログ用の画像ということで雑な感じですが、お仕事、とくに印刷物に使うのであればもっともっと丁寧にやりましょう……!
STEP.3 パスから選択範囲を作成する
STEP.2 で作成したパスは、「作業用パス」という名前で、パスウィンドウに爆誕します。

作業用パスは名前の通り“作業用”なので、一時的なものとして扱われ、新たなパスを作ると消えてしまいます。ダブルクリックすることでパスを保存することができますので、必要に応じて保存してみてください。今回はパスは一つだけなのでそのまま進めたいと思います。
ちなみに、パスウィンドウが表示されていない場合は、Photoshop 上部の「ウィンドウ(W)」から「パス」を選択してみてください。

そして、
パスウィンドウ内の作業用パスの上で右クリック、または右上のメニューアイコンから「選択範囲を作成…」をクリックします。

すると、
「選択範囲を選択」というウィンドウが出現するので、任意の設定にします。今回のようなきれいな境界線の被写体であればデフォルトの設定で問題ないと思います。

「OK」をクリックすることで、パスに沿って点線(選択範囲)が出現します。

また、
選択範囲は内側に向いているので、「選択範囲を反転(I)」といった作業はしなくても大丈夫です。なんのこっちゃ?という方は無視してください!
STEP.4 レイヤーマスクを追加
点線(選択範囲)が表示されている状態、かつ、切り抜きたいレイヤーを選択した状態で、レイヤーパネルの下部にある「レイヤーマスクを追加」アイコン(日本国旗みたいなアイコン)をクリックします。

すると、
パスに沿ってキレイに切り抜くことができます!

切り抜く(レイヤーマスクを追加する)と、レイヤーサムネールの横に、「レイヤーマスクサムネール」という白と黒のサムネールが新たに出現します。作成したマスクを調整したり、元の画像を確認したり、この「レイヤーマスクサムネール」がのちのち活躍しますので、こいつの存在はしっかりと認識しておきましょう!
境界線の微調整
サクッと「ペンツール」を使った切り抜きの流れを紹介しましたが、実際に切り抜いた画像を見てみると細かい部分に粗が目立つ場合があるかもしれません。

切り抜いた被写体を削りすぎたり、外側に背景が微妙に残っていたりする場合など、境界線の粗の修正のやり方を紹介します。特にフィルタなど使わず原始的なやり方ですが、「レイヤーマスクサムネール」の概念、存在を肌感覚で認識できると思うのでぜひやってみてください。
パスから修正する方法
「レイヤーマスクサムネール」を右クリック⇒「レイヤーマスクを削除する」から、一度レイヤーマスクを削除してしまいます。

また、「レイヤーマスクサムネール」を選択した状態で、レイヤーウィンドウ下部のゴミ箱アイコンをクリックすることで、削除することもできます。「レイヤーマスクサムネール」に白い枠が表示されていると選択されている状態です。

小さいアイコンなので、気づかないでレイヤーごと消してしまう場合があるので注意!(その場合は戻れば問題ありません。)
そして、
パスウィンドウから、前項で作成したパス(作業用パス)を選択します。

「パス選択ツール」(白い矢印)を選択することで、既存のパスをのアンカーポイントとハンドルを触れるようになるので、微調整します。

もちろん「ペンツール」を選択して、[Ctrl](Mac は control )キーを押しながら操作することも可能です。どちらかと言えば、私はこちらのやり方で出来るようになる方が良いと思います!
修正が完了したら、
前項の[STEP.3]から同じようにまたレイヤーマスクをかけなおします。
パスを根本的に修正してしまうというやり方ですね!
マスクを直接修正する方法
このやり方は、
初心者のうちは少し混乱するかもしれませんが、やっている内にだんだんと慣れていくと思いますので、のんびりやっていきましょう!
まず、ツールパネルから「ブラシツール」を選択します。

ブラシの簡易的な設定は、Photoshop 上部で出来るので任意の設定にしましょう。

とくに意図がなければ、形状はスタンダードなもの、硬さは柔らかすぎず、不透明度と流量を100%にしておけば、基本的な操作はできると思います。
続いて、「レイヤーマスクサムネール」を選択した状態で、ツールパネルの下部の色(「描画色の設定」)を確認してください。黒か白で表示されていると思います。

被写体のはみ出している部分を削りたい(マスクをかけたい)場合は黒、表示させたい(マスクを広げたい)のであれば白にします。
そして、そのブラシで塗ることでマスクを調整することが可能です。この場合、「レイヤーマスクサムネール」が選択されていないと、元の画像に直接色を塗ってしまうことになるので要注意!

マウスだとなかなかうまくできませんが、ペンタブがあればとても簡単に修正できますね。
メモ
選択ツールで
切り抜く方がいいのでは?
選択ツール(オブジェクト選択ツール、クイック選択ツール、自動選択ツール)を使用して、レイヤーマスクで切り抜く方法の方が簡単、かつ、効率的なのでは?また、多くのハウツーでもまず選択ツールの操作方法を解説してるよね?と、少し詳しい人はそう思うかもしれません。
確かに状況によっては、その方が効率が良いと思います。
例えば背景が無地の白やグレーなどで被写体と背景との境界線がハッキリしている場合は選択ツールでもキレイにそして早く切り抜きすることができます。しかし、多くの場合、一般的な写真から被写体を切り抜かなければならないと思います。自然体の写真の中で、いかにシンプルな形の被写体であっても選択ツールでは限界があります。結局微調整が必要になってくるので、であれば、ペンツールでパパっと切り抜いた方が早いと私は思います。急がば回れってことですね。
それと、ペンツールの練習にもなりますしね!
ペンツールは超重要な必須のツール
ペンツールは Photoshop や Illustrator、Adobe 製品に限らずいろいろなアプリで似たようなツールがありますので、操作に慣れるということ自体にめちゃくちゃメリットがあります。ですので、積極的にチャレンジしてみる価値はあるかと思います。
まとめ
写真の中の任意の被写体を切り抜く方法として、「ペンツール」と「レイヤーマスク」を使う基本的なやり方を紹介しました。
例えば、カップやリンゴ、スマホといった、かんたんな形状のモノ、言ってしまえば毛が生えてゴワゴワしていないものを切り抜く場合には、このやり方がオススメです。
「選択ツール」を使って切り抜くという方法もありますが、「ペンツール」は Photoshop を使う上で超重要な必須のツールなので、ちょっとした切り抜きでも、ちょっとした切り抜きだからこそ、練習だと思って積極的に挑戦していきましょう!





