金属のテクスチャをグラデーションだけで作ってみたはいいけれど、
『なんだかちょっと野暮ったいなぁ……。』
『もうちょっとリアル質感にしたい!』
って、
思ったことありませんか??
そんなときに、もう一工夫!
元の金属テクスチャに、さらに細かな質感を重ねてあげることで、より自然でリアルな金属表現に近づけることができます。
今回は、その中でも代表的な表現の一つ、削り出しの金属感、いわゆる“ヘアライン”加工っぽい金属のテクスチャの基本的な作り方をまとめてみました。
大まかな工程としては2段階、
① ヘアライン単体のテクスチャを作る
② 元の金属テクスチャに重ねる
それでは、順番に見ていきましょう。
- ヘアラインのテクスチャの作り方
- 「描画モード」を使ったテクスチャの重ね方
目次
ヘアラインっぽい
テクスチャを作る
ヘアラインっぽいテクスチャを作る際に使うメインとなる Photoshop の機能は2つです。
・「ノイズを加える…」
・「ぼかし(移動)…」
いずれも「フィルター(T)」の機能です。

その点、踏まえて、
さっそく作っていきましょう!
STEP.1 ベースの色を用意
新規レイヤーを作成して、グレースケール(白~黒)の色で塗りつぶしておきます。

今回は例としてわかりやすくしたいので、ちょうど 50% のグレーで進めていきます。
補足
テクスチャ素材のサイズについて
重ね先となる金属のイメージサイズよりもやや広めに作っておくとグッドです。
ピッタリサイズで素材を作ると、“移動ぼかし”を適用した際に、端っこのフェード部分が残ってしまいます。

少し大きめに作っておくことで、あとでトリミングしやすくなります。
色について
今回は、わかりやすさ優先で、50% のグレーを使用しています。ただし、これはあくまで一例なので、必ずしも同じにする必要はありません。
グレースケールの濃さによって、重ねたときの質感や、模様の主張の強さも変わってきます。
参考までに、おまけの項でグレースケールの濃さ別の比較も載せていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
STEP.2 ノイズを加える
STEP.1 で作成したレイヤーを選択した状態で、Photoshop 上部のアプリケーションバー(メニューバー)より、「フィルター(T)」>「ノイズ」>「ノイズを加える…」を選択します。

すると、
ウインドウが表示されるので、任意の設定にします。
・量(A):100%
・分布方法:均等に分布(U)
・グレースケールノイズ(N)にチェック

今回は上記のような設定にします。
3つ目のグレースケールにはチェックを入れておいた方がかんたんに作れます。他は、お好みで調整してみてください。
STEP.3 横にぼかす
STEP.2 で作成したレイヤーを選択した状態で、Photoshop 上部のアプリケーションバー(メニューバー)より、「フィルター(T)」>「ぼかし」>「ぼかし(移動)…」を選択します。

すると、
ウインドウが表示されるので、任意の設定にします。
・角度(A):0°
・距離(D):100 pixel

“距離”を伸ばせば伸ばすほど、ヘアライン一本一本の長さが長くなり質感が変わってきます。

カンバスサイズやノイズの量、表現したいイメージを意識し、画面を見ながらちょうどいい感じに設定しましょう!
STEP.4 質感を確認する
こんな感じで、ヘアラインっぽいテクスチャ素材ができました。

意図しない模様やムラがないか、また、自分のイメージする質感になっているかを確認してみてください。
次は、このテクスチャ素材を元の金属テクスチャ素材に重ねて、さらにリアルな金属表現に挑戦してみましょう!
ヘアライン素材を
金属テクスチャに重ねる
さて、
前項で作成したヘアラインっぽいテクスチャ素材をグラデーションで作った金属テクスチャ素材に重ねてみましょう。
グラデーションで作った素材でも金属っぽさを表現できますが、ヘアラインのような細かな質感を加えることで、よりリアルな金属表現に近づけることができます!
なお、
元となる金属素材の作り方は、別記事で紹介しているので参考にしてみてください。
STEP.1 レイヤーの順番を確認する
まずはレイヤーの順番を確認します。
上のレイヤー:『ヘアラインのテクスチャ素材』
下のレイヤー:『グラデーションの金属テクスチャ素材』

この順番で、次のステップに進みます。
STEP.2 描画モードを変更する
続いて、ヘアラインのテクスチャのレイヤーの「描画モード」を変更します。
ヘアラインのテクスチャをよく観察してみると、白・黒・グレーの細かな線で構成されています。

『この模様をイイ感じで金属素材に反映させたい』
というのが、
描画モードの変更で、やりたいことです……。
ちなみに、
描画モードの変更は、レイヤーパネル上部の「通常」と表示されているボックス部分をクリックすると一覧が表示されるので、その中から選択できます。

▼ まずは「乗算」を試してみる!
黒を残して白を透過させたい!となったとき、多くの人が最初に思い浮かべるのが「乗算」かもしれません。
実際にやってみると……
模様は反映されますが、グレー部分も大きく影響するため、全体的に暗くなってしまいました。

おしいですが、
却下ですね。
▼ 「スクリーン」の場合
今度は、「スクリーン」を試してみます。
この「スクリーン」モードは、
ざっくり言ってしまえば、『乗算モードの反対の効果』です。
結果は……
全体的に白っぽくなってしまいました。

これも、
今回の用途ではイマイチですね。
▼ 「オーバーレイ」がオススメ
これは結論ですが、
ズバリ「オーバーレイ」モードが、無難かつオススメです。

こちらもざっくり言ってしまえば、「オーバーレイ」は、「乗算」と「スクリーン」の性質を組み合わせたような描画モードです。
明るい部分は明るく、暗い部分は暗く反映されつつ、中間色に近づくにつれ自然に馴染みます。すごく雑に言えば、『白は明るく、黒は暗く、グレーは消える』って感じです。
今回のような、白・黒・グレーといった明~暗まで幅広いトーンで構成された画像とは相性が良いですね。
全体的なトーンを維持したまま模様だけを自然に重ねることができました。
『どの描画モードにすればいいのか。』
これが、結局、
意外とむずかしい部分ですよね。
もちろん、
『ぜんぶ順番に試して、一番いいやつにする!』
というやり方もまぁ、
ありっちゃ、ありなのかもしれません……。
ただ、
それぞれの描画モードの特徴をざっくり把握しておけば、
『この素材なら乗算かな?』
『これはオーバーレイの方が似合いそう!』
といった判断が、素材選びの段階からしやすくなります。
結果として、
素材作りや画像編集の効率がグッと上がりますね!
……
……
『焼き込みカラーは?リニアライトは?』
『乗算の反対は、除算じゃないの?』
……
おっと。
『勘のいいガキは嫌いだよ!』
……
……
ということで、
今回は初心者向けに代表的な3つの描画モードだけに絞って紹介してみました(汗)
そのへんの『描画モードについて』は、別記事で紹介するかもしれません(笑)
STEP.3 不透明度で微調整
ちょっと話が脱線してしまいましたが……
「描画モード」を変更したら、仕上げに「不透明度」で質感の強さを微調整します。
不透明度の調整は、
レイヤーパネル上部の「不透明度」と表示されている横のボックスの数値を変更可能です。

全体のバランスを見ながら、少し主張が強いと感じた場合は、不透明度を下げて自然に馴染ませましょう。

逆に、ヘアライン感をもっとバキバキに強調したい場合は、レイヤーを複製してさらに重ねる、なんて方法もあります。

STEP.4 完成した質感を確認する
これで、ヘアライン加工の質感を追加した金属テクスチャの完成です。

グラデーションだけで作った場合と比べると、より金属らしい雰囲気になったのではないでしょうか。

ヘアラインの強さや色味、描画モード、不透明度などを調整することで、さまざまな金属表現へ応用することができます。
ぜひ、自分好みの質感を探しながら楽しんでみてください!
グレースケールの
濃さ別の比較
(おまけ)
グレースケールの濃さ別で、ヘアラインのテクスチャを作ると、どのような違いが出るのか比較してみました。

グレースケールの濃さに応じて、テクスチャ全体のトーンや模様の主張の強さも変化します。
本記事の作例では、中間の 50% グレーを使用しましたが、比較してみると、少し明るめのグレーのほうが、イメージ通りの素直な結果で作れるような気がします。逆に濃い色は玄人向けなのかなと、個人的に思いました。
また、白や黒に近い色で作ったヘアラインは、ぱっと見の印象も白寄り、黒寄りになったので、せっかくなので、
『白っぽいなら乗算もアリなんじゃ?』
『黒っぽいならスクリーンもイケるんじゃ?』
という雑な発想で、実際に試してみました(笑)

いかがでしょうか?
『ダメではない……』といった感じでしょうか。。
どの組み合わせが良いかは一概には言えませんが、ベースの濃さと描画モードの組み合わせによって、意外と幅広い表現ができます。
作りたい金属の質感に合わせていろいろ試してみましょう!
まとめ
Photoshop のフィルター機能を使って、比較的かんたんに“ヘアライン”っぽいテクスチャ素材を作ることができます。
今回、メインで使用した機能は、 Photoshop のフィルターの
・「ノイズを加える…」
・「ぼかし(移動)」
の2つです。
作成したヘアライン素材を、グラデーションで作成したシンプルな金属テクスチャに重ねて、よりリアルっぽい金属質感を表現することができます。
そしてポイントは、
重ねる際は、素材に適した「描画モード」を選ぶことです。
まずは、今回紹介した方法でベースとなる素材をつくってみて、いろいろな描画モードや設定を試しながら、自分好みの金属表現を見つけていきましょう!
参考・出典
・アドビヘルプセンター. 「描画モードの説明. https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/desktop/repair-retouch/adjust-light-tone/blending-mode-descriptions.html, 2026年6月3日閲覧。




